カラーレシピ
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カラーレシピ

はらだ

どこまでも魅力的な話

ネタバレ
2025年1月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 上巻は萌え、下巻は地獄、読後は感心というあまりに読者の気持ちをゆずぶることに適した漫画。
読んでた側でも福介の本当の気持ちがどこか分からない。
美容師になろうとしたのは、自分の手で何かを染め上げるのが好きだから。
もしかしたら、福介は途中でしょーくんが言ってたみたいにしょーくんのこと好きじゃないのかも、自分色に塗り替えたいだけかも。

読者でさえ、完璧に福介を理解できないのだからしょーくんだって理解できるはずがない。
読んだ後、福介やばいやつ……と思いはするけどまだ惹き付けられてしまう。しょーくんだって多分似た感じ。
理解できないやばいやつだけど、福介には確かな魅力がある。その魅力は良くも悪くも福介の素の部分から出てくる魅力だと思う。それじゃあ、素で接していればしょーくんは福介に惹き付けられたか、と言うとそうとも言いきれない。作り上げた福介と、とんでもなくサイコパス福介(本人でも制御しきれてない、やりすぎだと思ってるレベルの)、そして素というか弱い福介。3つの福介があったおかげであの最後があると思う。ずるい男。だからこその魅力。

あの最後の後は、福介に自分と心から向き合って欲しいなと思う。そして、しょーくんはそれを手助けする役割を担って欲しい。
流石に自分自身の素直な気持ちを持てないままの福介がしょーくんの1番にはなれないと思う。幸せになって欲しい。
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