ほっぺにひまわり
」のレビュー

ほっぺにひまわり

三田織

タイプの違う2編•どちらも読み応えあり

ネタバレ
2025年1月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『ほっぺにひまわり』高校2年生のヨネちゃんは、園芸部でお野菜を育てるほんわかポッチャリ系男子です。人の良いヨネちゃんが皆のおもちゃにされるのをいつも阻止してくれるのが、同じクラスで野球部部長のアライくんです。そのアライくんが旧校舎の幽霊を救けたいからヨネちゃんに協力して欲しいとお願いしてきます。幽霊くんはDTのまま17才で亡くなったのでオッパイをもんでみたくて成仏できないらしいのでした。プニプニにこにこしたヨネちゃんがとっても良い子で、幽霊のために着た、お腹のはみ出たセーラー服姿も可愛らしいです。今まで誰からも「好き」と言ってもらえなかったヨネちゃんが、初めてできた彼氏のために変わろうとして上手くいかなくて、でも最後は頑張る陽だまりみたいなお話でした。描き下ろし『ほっぺにすりすり』では、二人が社会人に成長しており、ヨネちゃんに注目!です。『深い森』ピアノ教室を営む祖母が亡くなり、孫の音大生•遙を叔父の律が訪ねてきます。遙の母親は遙と母親を捨てて恋人の下に去り、ゲイの律は祖母から勘当されていたのでした。何事にも厳しい祖母の命令で教室を継ぐための婚約者までいる遙ですが、実は10年前に律と暮らしたことがあり、その時からずっと律のことが好きだったのでした。突然の律の登場で苦しみ、拗らせすぎた深い森を彷徨う遙の心の軌跡が描かれます。二人が明るい幸せを手に入れられますように。
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