このレビューはネタバレを含みます▼
高尚な文学的匂いは失わず、より軽やかなテンポで、より人間味あるキャラクターたちの人生が展開されていく。
間違いなく神作品だ。稀に見る完璧な漫画作品。前作に比べて素の自分を曝け出している先生に、子供っぽすぎやしないかと最初は驚いたが、そのような面を描き出すことによって、再び動き出した彼の人生、それに詰まった思い出と未来がより一層静謐たる輝きを放つ。美しすぎる、何もかもが。そしてそれは単に傍観者として感じる美のみではなく、極めて人間的な生の温かみと美しさなのである。ほんとうに素晴らしいとしか言いようがない。深いテーマを扱いつつも、うまい塩梅のギャグによって、物語全体にさくさくと軽い印象が与えられており、読了後も心地よさにふんわりと包まれる。完璧の一言。