このレビューはネタバレを含みます▼
流行りの中華風。機織り宮女のヒロインが後宮の事件に巻き込まれながら皇帝との距離をつめていく恋愛モノ。事件が起こり、人が殺されたりするのでミステリー要素もある。
ヒロインは元々庶民の宮女。盲目で、欲がなく少し変わり者。美人。素直で性格は良い。恋愛に対しては鈍感。
2人の皇帝。どちらもヒロインと幼なじみ。政務担当と後宮担当で役割分担しており、どちらかというとメインは政務担当の方。明るく人間関係を上手に構築できる後宮担当に比べ、政務担当は実務や武術には長けているが世渡りが苦手、という設定だが、あんまり活きていない。
キャラの設定が死にきっていて、無駄になっていることが多い。政務担当の武術要素とか。人付き合いの下手さとか。あんまり意味がない。
ヒロインが蛇を欲しがったのもよく分からない。死んだ蛇は酒には漬けられないし、蛇が好き、酒が好き、などの要素もなくいきなりそれまで褒美を拒みがちなヒロインが食いつくように強請るので、薬屋のひとりごとと勘違いしているのではと思った。ほんとにいらない話が多かった。
ミステリー要素がある、とは言え、解決はほとんどヒロインが盲目だからこそ良くなった聴覚や嗅覚、察しの良さなどによるもので、読者に考えることはほとんど無理。回収されない伏線も多い。最後の謎解きで強引に犯人に持っていく感じがある。
幼なじみの要素も薄く、皇帝が2人の設定も活きていないので、まあこれから美男美女が一緒にいる中でどちらと愛を育むのかを見るだけの作品になりそう。
絵は他の人も言っているように綺麗で、ヒロインの体などちょいエロめ。