孤独な鷹は人恋しくて
」のレビュー

孤独な鷹は人恋しくて

黒岩チハヤ

恋する気持ちがリアルに描かれてる

ネタバレ
2025年1月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 終始面白かったです。高校時代の純粋で真剣な想いが、最後まで伝えられもせず、好きな人にキツイ言葉を言われてしまった想いが、穂鷹の中で消えずに拗れてしまった姿が、とても良く描かれていて、惹きつけられるお話でした。本気の恋心が傷つけられると、消えずに残ってしまい、そこが真に癒えて解消されるまでは芯から素直になれない、それでも好きな相手だから復讐したくても振り向かれると喜びを感じてしまう、許したいのに許せない気持ち、高校時代の自分に好きな人に振り向いてもらえた喜びを伝えたいような幸せな気持ちとまた裏切られるかもしれない怖い気持ち。そんな、本気で人を好きになった人間の、リアルな心理がよく描かれていて、読んでいてジンと伝わってくる、良いお話でした。勇誠の方も、高校時代に穂鷹を傷付けた事の後悔があり、情けない自分をよく分かっていて、だからこそ、再会した穂鷹のやる事を許しているし、愛しいから、そばに居てくれるだけでもう良いんだと思える気持ちが、よく伝わってきました。最後は、穂鷹への気持ちを自覚した勇誠の愛情で、段々と心が溶けていく穂鷹の姿が見えてきて良かったです。その先の二人もぜひ見たい。作者さんの作品は、恋愛のリアルなトキメキがあって好きです。
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