花嫁執事
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花嫁執事

岩本薫/佐々成美

思ったより話がしっかりしていました

ネタバレ
2025年1月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 幼少期に大好きだった幼馴染と過ごした屋敷へ執事としてひとり立ちし戻った受。けれど当主が変わっており、新当主は幼馴染だった攻。騙した状態での2年契約に憤るも、執事としてのプライド、攻の食生活と余命宣告された旧当主への心配などから務めを果たすことに。そんな受に攻は偽装花嫁を依頼し、それは攻が旧当主に認められ養子縁組するのに必要な条件で…。

イギリスからの帰国子女の受が、騙され無茶な偽装花嫁を頼まれ、しかも旧当主のお眼鏡に叶うか面会翌日から住み込みでヘルパーの補助をすることになり(数日)…と、あり得ない話なのに「昔世話になった旧当主を少しでも楽にしてあげたい」「ご主人様(攻)の不規則な生活を何とかしたい」という受目線の執事プライドと、先生の筆の上手さで違和感なく読み進めてしまえました(笑)「これこのままだとモヤモヤするなあ」というポイント回収も抜かりなく、成り金になった攻が屋敷を乗っ取ろうとしたのにも隠された理由があり、受と別れてからを思うと納得できるものでした。

エロは簡易祝言後の無理矢理(?)初夜と、恋人になってからと。攻に翻弄される無垢な受が良かったです。初めてでも気持ちよくなってしまったのは受の素質か攻が手練れだからか(笑)続編で攻の過去の相手などが出て来て、受が嫉妬する話が読みたいなと思いました。最後に気になったのは受のご両親へのカミングアウト。執事で日本へ戻った息子が花嫁にもなったと知ったらもう一波乱ありそうですね。
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