Ω令息は、αの旦那様の溺愛をまだ知らない
」のレビュー

Ω令息は、αの旦那様の溺愛をまだ知らない

仁茂田もに/凩はとば

似たもの夫夫による世にも奇妙なすれ違い

2025年1月19日
初作家さんでしたが、評価の高さに釣られたのとオススメされて読んでみたら凄く良かったです。まずお名前…回文みたいになっていて面白いなと思いました。
内容も一風変わっていて、普通…というと語弊がありますが、大体の恋愛小説って「二人が紆余曲折・何だかんだで結ばれるまでがストーリーの醍醐味」だと思うんです。それが、巻頭の人物紹介でも分かる通り、結婚して子供もいる…言わばエンドから始まる展開というのが、かなり新鮮でした。結婚して子供までいるのに大いにすれ違う摩訶不思議な二人、並行して起こる謎めいた陰謀がらみの事故や事件の数々で、一気読みする面白さでした。
一巻で種を蒔き(伏線を張り)育ったところを、二巻でいざ収穫(伏線回収)という軽やかな流れでいよいよ陰謀解明ターンへ。所々に主要人物たちの回想などを交えながらも中弛みすることなくドンドン進みます。ちょうど二巻の半分辺りに最大の山場があり、ここで「どれだけ驚くか」によって、推理面での満足度が違ってくると思います。そして怒涛のクライマックスへ…本当はアレがこうで、あぁでと色々言いたいのですが、楽しんでもらいたいので、是非ネタバレなしで読んでほしいです。
ラストは、SSも含め優しく幸せそうな光景を見られて、こちらまで幸せな気持ちになりました。ただ一つ欲を言えば、全体的にもう少しミハエルの出番がほしかったなと。あの可愛いさをもっと愛でたいと思いました。
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