大好きな護衛騎士を決心して手放したはずなのに、なぜか彼が何度も会いに来ます【シーモア限定特典SS付】
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大好きな護衛騎士を決心して手放したはずなのに、なぜか彼が何度も会いに来ます【シーモア限定特典SS付】

四季夏果/今井蓉

追いかけるヒーローが好きな方におすすめ!

ネタバレ
2025年1月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何が最高かって、昔からお互いのことだけを一途に想っている2人なのに!なのに、ヒロインは周囲の噂話に惑わされてヒーローの気持ちを誤解し、成長するにつれて素直に好意を示せなくなって、ヒーローは歳の差や立場の違いから想いを返せず、兄王子に釘を刺されているせいもあり護衛騎士の枠を越えられず。気持ちがすれ違ったまま迎えた念願のファーストダンス。そして冒頭の「護衛騎士の任を解きます」のセリフに繋がる、この流れ…!(歴の長い両片思い最高…!)ファーストダンスのシーンめちゃくちゃ好きで、ヴァレイフはフェローネが成人したことによって、やっと正式にアプローチできると、彼女との未来を考えて浮かれているんですね。かたやフェローネは、最初で最後の思い出にとファーストダンスを踊っているんですね。この後に告げる言葉への覚悟を決めて。今まで側にいてくれたことへの感謝と贖罪の気持ちを持って。この対比が、何とも言えず切なくてもどかしくて、胸に込み上げてくるものがあります。でも両片思い100%なので、この後の展開を楽しみに、存分に胸キュンできるという安心設計。そして、その先もめちゃくちゃ良いんです。彼女にとっては恋ではなく幼さゆえの憧れだったのかもしれないと思いつつも、10歳も年下のヒロインを諦めきれず、大人気なくやや強引にアプローチを重ねるヴァレイフの、真っ直ぐさ、焦り、嫉妬…大変美味しいです…!今までずっと脈がない態度を取られたせいで、シンプルに受け止められないフェローネと、どこまでも追い縋るヴァレイフから滲み出る、余裕のなさ。余裕のない年上ヒーロー好き過ぎる!
個人的に、主人公2人がジレモダし過ぎてると、何でそこまで頑ななの?とか、玉砕覚悟でストレートに告白せえ!と一喝したくなるというか笑。ある種のストレスを感じる時もあるのですが、四季先生の作品はいつも感情の機微が丁寧で共感しやすく、さらに今回は加筆部分によって、より2人の言動に納得感が出たと思います。王女といえど、17歳の女の子らしい感情の揺れ動きと、なぜヒーローと距離を置こうと思ったのか、なぜ彼の行動を素直に受け止めることができないのか、すごく理解できました。
他にも好きなポイントがたくさんあって、もう感想書いてるうちに、また読み返したくなってきています笑。
書き下ろしでイチャラブもたくさん読めて、SSもあって大満足です。今後の作品も楽しみにしています!!
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