仮面舞踏会の夜は悪魔が囁く【シーモア限定特典SS付】
戸瀬つぐみ/MKR.
このレビューはネタバレを含みます▼
数年前に初めて読み、ずっと心に残っていました。久しぶりに読み返してみて、やっぱり惹き込まれる魅力のある作品だと思いました。
まず、お互いにず〜っと一途に思い続けていた点がポイント高いです!アルベルト様、てっきり義理の妹であるヒロインを諦めようと、それなりに女性とお付き合いしてたんだろうなと思いきや、まさかの童貞だった…!?正直、ヒーローはヒロインに対して臆病だしヘタレ気味ですが、亡くなった母親との確執を考えると、一歩踏み出せない気持ちもわかります。ヒーロー視点で描かれるヒロインへの仄暗い執着心、独占欲、背徳感にとても胸がトキメキました…!寝ている幼いヒロインに思わず手を出しちゃうヒーロー、好きです笑
そしてなにより、長年渡せなかった誕生日プレゼントを渡したり囲い込もうと外堀を埋める前に、さっさと告白せんかい!!マリアを不安にさせおって!と焦ったく思いましたが、結婚式でのまさかの男泣き!で全て帳消しです笑
マリアも社交界に出ていなかったとはいえ、男性と接する機会はいくらでもあったはず。ヒーローはもしマリアが閉鎖された環境で育っていなかったら…と思っているようですが、違うよ!単にマリアがあなたのこと大好きで一途なだけだよ!と教えてあげたいです。
マリアは超良い子過ぎて、性格そのものには共感できない部分もあったのですが、だからこそ、最後に「逃げてもいいんだ」という選択をした彼女にホッとしました。ヒロインが成長して素晴らしい公爵夫人となり活躍する〜みたいな有りがちなラストではなくて、2人の性格を考えても、納得のいく結末だったと思いました。
お互いに実の親から憎まれ、消えることない罪悪感を持った2人が、相手に愛されることによって自分の存在を肯定できた、というような締めくくりも良かったです。
途中シリアス展開もあり、イチャラブは少なめなので、それを楽しみたい人向けではないかもしれませんが、切ない心理描写が素晴らしく、ラブストーリーとして読み応え抜群でした!購入して良かった!この先何度も読み返すと思います。
個人的に、家族と従業員を守ろうと死に物狂いで努力してのし上がったファビオがめちゃくちゃかっこよくてタイプだったので、いつか彼をヒーローにした作品が見てみたいです…!
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