このレビューはネタバレを含みます▼
スランプ中のカメラマン・壬生×温泉旅館の支配人・筒美。後輩の結婚式で泥酔して潰れた壬生が目を覚ますと見知らぬ旅館にいて、そこにはずっと忘れられなかったかつての親友・筒美の姿が。大学卒業直前に勢いで抱こうとしたのを失敗してから音信不通だったのに、昔のように微笑む筒美に戸惑いながらも消えていなかった恋心に再び火が付く、10年振りの再会もの。お互い気まずさが残っていてもいい時間を過ごして、思ったよりとんとん拍子で両想いに…と思ったらまた一捻りあって面白かった。嫉妬と恋心に揺れる筒美の葛藤に共感できるし、そんなことは思いもよらない壬生の鈍感さが罪深いけど、筒美に送る賞賛に嘘はないのが悩ましい。その辺りが現実的で、どちらにとっても酷だなあ。筒美はこの先も悩んで苦しむかもしれないけど、それを壬生が知っているのと知らないのとじゃ大きく違うので、二人で幸せになって欲しいです。