このレビューはネタバレを含みます▼
主人公の七生が元自衛官のかつてはスナイパーであった吾妻に復讐の依頼をすることからはじまるお話。この吾妻を探し出し、両親の死の真相にもたどり着く七生の粘り強さと執念がすさまじい。そして互いに苦い過去を持ちながらも共鳴し合うという関係性もよし。しかし復讐のために綿密に計画を練り、周到な準備にも余念がなく緊迫感が高まるなか、いざ実行に…となる最大の見せ場であろうシーンで、は?ちょっと、どういうこと。撃たんのかーいと呆気にとられてしまった。
中盤から一抹の不穏感はありつつもまさかの復讐せんのかいと。
愛する人の手を汚してほしくない…その気持ちは理解できます。もちろんそれは至極まっとうなんですが、肝心のターゲットである「傀儡」は野放し?ラスボスは?散々匂わせておいてそこは有耶無耶のままなのかと全くカタルシスを得られませんでした。途中までは読み応えありだったのに、こんな肩透かしってありなのか…
せめて物語の中でくらいは意趣返しをしてこそだと感じてしまう