毒を喰らわば皿まで【シーモア限定版】
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毒を喰らわば皿まで【シーモア限定版】

戸帳さわ/十河

BL好きじゃない方にもオススメの復讐劇!

ネタバレ
2025年2月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 【あらすじ】
娘が王子に婚約破棄され、贄巫女として竜に呑まれて死んでしまう運命となって、ようやくこの世界が乙女ゲームであることを思い出した、主人公の宰相アンドリム。
娘と自分の破滅への運命を逆転すべく、神格化された竜と、悪役繋がりの神官とを巻き込んで、壮大な復讐を計画します。
1巻時点ではBL感はなく、アンドリムによる王子達への謀略と復讐劇の始まり始まり…という感じ。
復讐のための裏工作をするにあたって、神竜の力でご都合主義的な部分も含まれはするものの、裏の裏の裏をかいた綿密な計画は、疑い深い王子陣営の誰もが気付かないまま、するすると罠にはめられていきます!
王子陣営がアンドリムを疑って、その証拠を検証しようとすればするほど深みにはまっていくという、痛快で爽快な復讐劇です。

【感想】
アンドリムは悪役そのものですが、当然、悪役目線では王子達は娘を裏切った浮気者としか映りませんよね。
王子の取り巻き達も同罪です。
ですから、アンドリム、いけいけ、もっとやれー!と応援したくなります。
もともと転生モノは好きなのですが、こちらの作品は前世がどんな人物だったかは描かれず、むしろそこは関係なくて、ただ乙女ゲームの知識だけがあり、その知識を活かして現世のアンドリムが策略を巡らせるお話です。

最初は作画、特に悪役令嬢が倒れるシーンで、ん?宙に浮いてる?と疑問符でしたが、回を追うごとに良くなっていきます。
これは長く続いてほしい良作に出会えました…。
作者様、ぜひぜひ10巻を超える大作にしてくださいませ!
BLジャンルがお好きでない方にも、この痛快復讐劇をぜひ強くオススメしたいです!

ちなみに、私は原作読了済みですが違和感は全くありません。
ただ、原作1巻目のラストは数年分がまるっと省かれていてあまりにも唐突だったので、コミックスではそこは最後のお楽しみに残していただいて、原作2巻以降を先にじっくり描いて欲しいなと切に祈ります。
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