皇太子は宮廷道士を寵愛する ~愛されたがり子パンダの秘密~
滝沢晴/奈良千春
このレビューはネタバレを含みます▼
奈良千春先生のイラストが描かれた小説を今迄余り読んだことがありません。以前見かけたイラストとは雰囲気が可成違っているので、最初は気が付きませんでした。しかし、主人公達の容貌と衣装の華麗さに思わず見惚れてしまいました。
悲劇的な処を少し喜劇的な要素を入れることで読み手の衝撃を和らげています。ワン・ルイ(王睿)は絶世の美人なのに自覚がない処は、彼の生まれ持った資質によるものなので、それと知らず多くの人を惹き付けてしまっても彼ならば仕方がないと笑って済ませられる様な感じでしょうか。
そして、サーシェン(颯伸)も又、知らず知らずのうちにというか初めて出逢った時から、そうしたルイ(睿)の虜になってしまっていたのでしょう。
恐ろしい山場もなく、幸せな展開と結末は予想がつきながらも、愉しんで読み進めることができました。
大熊猫の子パンダ、スー(思)と三人で家族になることが暗黙の了解の様に決まりますが、誰にとっても最良の選択でしょう。それにつけても、三歳は思ったよりも色々なことができる年頃なので、大人は子どもだと侮ってはいけません。一人の人として認めて意思を尊重しましょう。
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