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夜光花

妄執の果てにある彼の地

ネタバレ
2025年2月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ どちらも攻の執着と焦燥が半端なく、想いは重いとなり、受を苛むほど…。しかし、特殊な環境で育った受ちゃんは少しは悩むが受け入れちゃうのですよ。尚吾と誠は互いにブラコンで。閉鎖的な鬼沢村から離れて暮らすのに、根っこのところでは離れられない…。呪縛のような土地です。いずれは浄化されるのかもしれません。尚吾の母、薫も花の犠牲者なんです。きっと。礒貝家のカナメは母茜さんですね。衛と泰正はよくできた弟とおバカな兄という位置付けですが。泰正は二鬼山の山神の子とも言うべき子。実際山が大好きで。生き生きとみかん農家をしています。作家として身を立て始めた衛はとうとう自分の執着を隠さなくなる。それが村での自分の立場を悪くすることになるんですが。担当編集者の長峰が大活躍しますんで。泰正のお友達ベーやんたちもあちこち出てきます。山を隔てた二つの村。きっと元は一つだったんじゃないかなぁ。恐ろしい過去の真実がありそうですが。。それが鬼の昔話なんだと思います。太極図のような感じがしました。この作品は冒頭とラストに誰かの視点で描かれるショートストーリーがあり、それが作品にとても良い味付けをしています。おどろおどろしい中にもそれが光となっています。長峰さんが主役のスピンオフあり!ぜひ読んで!!
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