悪役令嬢たちは揺るがない
」のレビュー

悪役令嬢たちは揺るがない

八月八/春野薫久

悪役令嬢ものの良いトコどり

ネタバレ
2025年2月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 凄く面白かった。悪役令嬢もののスカッとするお話の詰め合わせみたいなお話ですが、全てが一つのお話に繋がっていて伏線回収しながら進んで行く様は爽快で圧巻です。
個人的には王太子カップルが好きです。もうちょっと二人の甘いお話も読みたいなという気もするのですが、他のキャラのお話を読めば二人の仲は順調なのだろうというのはわかります。でも身近にいる友人(側近?)にも恋バナはしていないし、一番淡々としていそうで、この王太子ってかなりムッツリ執着してそうだなという感想(笑)
次期王として厳しく育てられたエーリクにとっては、自分が得られなかったもの・必要なものをセラフィーナが全て持っているのだから、それこそエーリクにとっての癒しだし、溺愛するに決まってる。きっと子供の頃から自覚ないままにセラフィーナに執着してそう。
そして、気高いセラフィーナがカッコ良すぎる。そりゃ惚れるよね。
雰囲気的にはサンドラのエピソードが一番悪役令嬢っぽいし、彼女がこのお話のストーリーテラーなのかなという気もします。彼女の元婚約者だけが若干残念な役回りみたいですね。他の女性は最終的には自立して活き活きと活躍していくし、メリカント家もまともになりつつある中、一人だけ相変わらず脳筋男な感じが。
でも、リュシアンも、メリカント家も、聖女も、全部味方にしてしまうセラフィーナが最強だし、王太子との2日に一度のお茶会の話とかもっと読みたいです。
結婚後も娘の王女が呆れるくらいだから、周りも生温かい目で見てるんだろうなとは思うけれど(笑)
あと、聖女は子供は作れても結婚はしない、みたいな話でしたけど、娘はいるみたいですから、その辺もスピンオフになったりしないんでしょうか?もう少し読みたいです。
それぞれのお話が絡み合っているので、全部読み終わった後にもう一度読みたくなります。とにかく面白かった。
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