スモークブルーの雨のち晴れ
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スモークブルーの雨のち晴れ

波真田かもめ

寄り添い受け容れ合う二人がリアル

ネタバレ
2025年2月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 6巻が出たのでもう一度読み直して、良さを実感してます。二人の性格の違いや心の変化など、細かい部分までゆっくり拾いながら読み直して満足。不器用だが一途な想いを秘めながら、自分のペースは崩さない芯のある久慈と、表面的には人懐こく器用に見えるが、内側は繊細で揺らぎやすいのが魅力の吾妻。誰にでも訪れる日常や人生の変化を体験しながら、二人が徐々に心を通わせ(体も重ねてますw)、現実の人生でもパートナーとなっていく過程が自然でよい。作者さんが、「人は多面体」と言われていたが、例えば親に感謝しつつも面倒だと感じたり、寂しさを感じながらも安堵する薄情さだったり、相手の優しさに救われていながら利用しちゃう弱さ…等、人の同時に存在する善悪両面をあるがまま描いていて、40代の私には、二人の在り方や日々にリアルを感じられた作品。五巻まで時間をかけて、吾妻の心情が徐々に揺らがなくなり、それを表現し始めるのも、なんか説得力あり。自分の気持ちが分からないことに吾妻が正直なのも良かった。久慈みたいな泰然とそこに居てくれる存在って、吾妻みたいなタイプには必要なのよねえ…と個人的にとても納得(笑)。それにしても久慈、そんなに吾妻に惚れていたのだねえ…終始さりげない物語の運びの中、時々久慈の情熱的で執着的なのがスパイスで、やっぱりBLはこうでなくては^^!二人の物語もそろそろ終盤でしょうか。もう少し二人を見ていたいです。これからも時々読み返す作品だと思います。次巻待ってます。
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