君の名前をよんでみたい
」のレビュー

君の名前をよんでみたい

飯田ヨネ/認定NPO法人EDGE 会長 藤堂栄子

ディスクレシアの話。

ネタバレ
2025年2月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 難読症という文字を認識できない障害と呼ばれています。文字が文字に見えない。知能には問題がない場合と、ある場合と様々です。この作品では、知能には問題がないタイプを取り扱っています。知能に問題がない場合、解りにくい障害のため、周囲の理解を得られないことも多く。また、この作品では、家族の理解以前に障害を持った子供を受け入れられない親という。親が人間として成熟しないまま親になってしまったタイプ。保護者のない未成年受け入れ施設には、そうしたケースも多い。ヒロイン…のように可憐で生意気な主人公(男性)は未熟な親によって屈折し、人を信じられなくなりつつ…ギリギリ踏みとどまっている。この青くんの良いところは、自己肯定感はあったので、役者になる、という夢を持てた点。ここで、自己肯定感を持てないと裏社会の闇に飲まれてしまう。風俗、反社、他。神は乗り越えられない試練は与えないというのはバリ嘘で、いっぱい与えるから。だから、青くんが役者を目指せているのは、ある意味幸運なのだと思う。そして、一葉のような優しい理解者に会えたことも。家族なんて血の繋がった他人だから、青くんみたいに捨てて良いんですよ。大人だからって人間できてるとは限らないから。て家族に困ってる未成年に伝えておきたい。でも、社会に未成年を受け入れるところがあれば、もっと家族を捨てやすくなるのに、とは思う。これは、ハンデを抱え、親という保護者を捨て、苦労はしたけど幸せをつかめた人の物語。※フィクションという希望の話なので、世の中には幸せをつかめないケースもあります。作画も丁寧で良かった。主人公の繊細さに沿いつつ、優しい作画でした。ただ、初対面で一葉に「おばさん」言うのはアカン(笑)。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!