このレビューはネタバレを含みます▼
水原さんの作品は全体的に仄暗く薄幸でしっとりした印象があり、落ち着いて読みたい時に手にします。ただ今作は淡々としたストーリーで主人公2人に動きがなく共にすれ違い過ぎて焦ったかったかな。
両片想いの同級生もの。設定は大好物なのですが、同級生とは思えないほどお互い口数が少なく相手を思い遣るばかりで一向に関係が進まない…。いや、やる事はやってるので進んではいるけれども気持ちがすれ違ったり勘違いもしているのでお互い若干ズレていて。おまけに2人とも自己評価が低いせいか相手の想いに全く気が付かないので一人相撲のまま…。
他レビューに「好き過ぎて身動きが取れない」とあって納得。だからかストーリーは凪状態。大学生の横槍も不発に終わり、後半のヤクザ関係で一気に物語が動き宏樹の告白にようやくか!と。が、肝心のその後がどうなったのか、そこを知りたかったのに全く触れずに終わってしまったのが残念でなりません。もっと彰信の想いに触れて欲しかったし、個人的には5代目彰信を見たかったです。