どくだみの花咲くころ
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どくだみの花咲くころ

城戸志保

おもしろいふたり

ネタバレ
2025年2月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ おそらく発達障害だろう信楽くん。勉強不足で知識のない教師たちや学校側の体制のせいで、度々パニックを起こし、問題児扱いされているが、同じクラスの優等生清水くんが、信楽くんの創作物をきっかけに信楽くんに興味を持つことから始まったこの話。普段は奇怪行動ばかり取って、周りからは警戒されている信楽くんがなぜか清水くんといるときは、まともで、逆に優等生として周りから信頼され、大人のような立ち振舞いをする清水くんが信楽くんの創作物のこととなると、我を失ってしまう。清水くんにとっては、それだけ信楽くんの作品に狂ってしまうほど魅力的なのだ。信楽くんからしても清水くんの行動は異常に感じるほど!
このふたり、大丈夫なのか?と不安で読み始めたけれど、2巻まで読んでみると、なかなか良い組み合わせになってきました。少しずつお互いがお互いのことを何となくわかりあって、絆が生まれてきてるのでは。
家や清水くんといるときは、おとなしくまともな信楽くんと、信楽くんといると欲望に忠実で子どもらしくなってしまう清水くんがなんとも魅力的です。おもしろい2人。
こんなにも信楽くんの作品が魅力的なのに周りには評価されず、自分の価値観を疑ったりもしたけど、結局自分の価値観に振りきった清水くんの話はすごく良かった!
果たして、清水くんは信楽くんの作品を収集できるようになるのか?ならないのか?
続きが楽しみです!

余談ですが、小鹿田先生が信楽くんと清水くんの担任になって良かったな。いい先生だな。
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