このレビューはネタバレを含みます▼
主人公カイちゃんの超自虐的、超自己肯定感ゼロ、完全に鬱の冒頭から始まる本作。
情緒があまりに忙しいカイちゃん。
笑いながら泣いちゃうし、彼のことばっかり考えちゃうし、嬉しいのか悲しいのかワケわからん!みたいなカイちゃんの感情が刺さりすぎて辛いです。
カイちゃんは事あるごとに『何にもない』と自分を虐めるかのような呪詛を唱えますが、本当に何にもないのか???仮に何にもないとして、その先に見える世界があるのでは?と色々と考えさせる余地をこちらに与えてくれる素晴らしい作品。
絵のタッチは可愛いイラストっぽいですが内容は相反していて、そこがまた軽妙さを生んでいて好きです。
高円寺くんがカイちゃんにとって『ピカーーーッ』と発光して見えている描写も好き。
恋に落ちる時って、その人が本当に光って見えますよね。