恋とか夢とかてんてんてん
」のレビュー

恋とか夢とかてんてんてん

世良田波波

何にもない世界、その先は果たして。

ネタバレ
2025年3月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公カイちゃんの超自虐的、超自己肯定感ゼロ、完全に鬱の冒頭から始まる本作。
情緒があまりに忙しいカイちゃん。
笑いながら泣いちゃうし、彼のことばっかり考えちゃうし、嬉しいのか悲しいのかワケわからん!みたいなカイちゃんの感情が刺さりすぎて辛いです。
カイちゃんは事あるごとに『何にもない』と自分を虐めるかのような呪詛を唱えますが、本当に何にもないのか???仮に何にもないとして、その先に見える世界があるのでは?と色々と考えさせる余地をこちらに与えてくれる素晴らしい作品。
絵のタッチは可愛いイラストっぽいですが内容は相反していて、そこがまた軽妙さを生んでいて好きです。
これで絵柄が写実的だったらウシジマくんのような雰囲気になって確実に精神が蝕まれますので、この絵のタッチで良かった…。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!