死ぬまでにやりたいこと ~浮気夫とすれ違う愛~
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死ぬまでにやりたいこと ~浮気夫とすれ違う愛~

ともどーも/桑島黎音

アニータだけ

ネタバレ
2025年3月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最近、サレ妻系の漫画ばかり読んでいたのでザマァ系の話かなと思い読んでみたら、思っていたより壮大な話だった。

アニータは子供の頃からルイスを好きで、ルイスもアニータを好きで、お互いを大切に思って結婚して幸せに暮らしていたはずなのに。
ルイスはアニータ以外にもいろんな相手と噂があって、アニータをもう何年も苦しめている。
更に運の悪い事にアニータは重い病にかかり余命も少ないとか。

両親に愛されず、自分のせいで両親や周囲の人の幸せを奪ったとずっと自分を責め続けているアニータを知ってたのに、いくら病気の治療とはいえ男性を抱くとか。あれだけアニータをずっと愛していて裏切り行為を平気でしてきたルイスにイライラした。

しかもルイスと噂のある人間が性悪ばかりで。ミハイルが特に腹立つ。2番目でいいと言いながら女みたいに女々しくて。こんなのに手を出したルイスが許せなくて。

でも話は単純にルイスの浮気?の話でなく、アニータの親世代の頃からの問題、更には他国も含めた復讐の話で、それにアニータとルイスが巻き込まれてて。
何でいつも何も悪い事を1つもしてないアニータばかりが酷い目に遭うのだろうと涙が出た。

マーサを中心とした友人やその婚約者達が、皆それぞれを大切に想い愛し合っていたのに、前国王と前王妃のせいで、不幸になり命を奪われて残った人達が復讐していくのは仕方のないことだとは思う。

けど、その対象となる2人が既にこの世にいないのに、復讐をして関係ない大勢の命を奪ったり、そのせいでルイスも病にかかりアニータが苦しんでいくことになったのは許せない。
アニータ父も妹を想い悪事に手を染めたのだろうが、何故アニータを愛せなかったのかと腹が立つ。

王妃やその母などは、アニータの苦しみをわかって味方になり、旦那達をいかに自分達のせいでアニータとルイスが苦しんでるかを諭してくれたのは良かったと思う。

アニータがただメソメソと悲劇のヒロインぶってるような人物なら最後まで読まなかったと思う。
本来ならそこまで自分を責めなくてもいいのに、自分に出来るあらゆる事を頑張って、常に周囲の事を考えて行動し、最後にはルイスを許してあげたアニータに涙が出た。

ルイスもアニータを愛してるのにやり方を間違えてしまった為にアニータを失うのは仕方ないのかもしれないけど、出来ればアニータには生きてて欲しかった。
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