部屋においでよ
」のレビュー

部屋においでよ

原秀則

名作だと思います

ネタバレ
2025年3月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 十数年前に結婚した時に夫の蔵書として見つけ、何となく読みました。少年漫画で育った私は、恋愛が主軸の漫画をあまり読んだことがなく、まして男性の作者が描く恋愛漫画だったので、華やかな作風ではないけどとても新鮮に感じたのを覚えています。そして、あまりロマンス要素があるとは思えなかった夫が、この恋愛漫画をコレクションしたと言うことにもちょっと感動した、という思い出もあります。/内容としては、恋愛と夢をどっちをとるかで戦わせてしまう、若いからこその情熱や素直さや焦りみたいな現在進行系の感情満載な恋人同士の二人ダブル主人公なお話です。心情が変化していく時間軸や勾配が絶妙で、華やかさはない(しつこくすみません💦)けど絵もストーリーもとても丁寧で、二人の空気感や温度さえ伝わってくるように感じます。実際、この漫画の連載期間の時代的には、ドラマならまだしも漫画としてはこれだけ虚構の少ない作品にもかかわらず、支持されたのは作者様のお力あってこそだったのだろうと思います。/なんといってもラストシーンは星の数ほどある漫画の中でも染みた作品でした。男女の違いもリアルに切り取り描ききった名作だと思います。
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