このレビューはネタバレを含みます▼
獣の凄み、躍動する翼、森の木々に至るまで その画力の高さに圧倒されます。
何より登場人物たちの性格や気持ち、覚悟や愛などが全部 表情に素晴らしく表現されていて、没入感が凄いです。
ハラハラしたり、ほっこりしたり、感情が激しく揺さぶられました。
もともと「糸永くんの恋の糸」(大学生の恋のおはなし)が良かったので作者様買いをした本作。
人外ものも好きだし、軽い気持ちで読み始めたのですが
ここまで圧倒的な作品だとは思わなかったです。
シーア、ゼン、ウル、健気で可愛くて一途で泣けてくる…。
スウェイとロッサは優しくて包容力が半端ないし、アクロとリーカーは2人の障壁にはなるものの、その責任感とストイックさはカッコ良すぎる。
みーんな、素敵!!
王様がライオンとかじゃなくて猛禽類っていうのも、なんかカッコ良かった!
ゼンのイメージにピッタリだし!正装したゼンの威厳と迫力たるや、私も跪きたいですー!!!
イザというときにだけバッ!と翼が出てくるところ、ゾクっとします!!
シーアを見つけられなくてゼンが絶望するところも、気高き王の無力感が伝わって来て本当に胸が痛かった!!
シートラットでゼンがシーアを見つけたときは、本当に息を呑みました。
ほんとに本当に、なんという絵の上手さですか…!
森の深淵という感じがして、本当に神の領域に居る感覚でした。
そしてとにかくMVPはウルですね!
その功労も、可愛さも! ウルが大きくなったところも、見たいな!
近衛になってるに違いない!ワクワク。
二巻の後半は、王の両翼、リーカーとスウェイのスピンオフです。
ゼンとシーアのカップルに比べちゃうと、ページはそっちに使って欲しかったな~と思うところではありますが、メインカプはさらに続編が出ているみたいなので そっちで堪能します!
惜しむらくは、どっちのカップルも受けが女の子に見えちゃうところかな…。
シーアも睫毛バサバサで唇ウルウルで、リーカーもおかっぱで顎が異様に細くて、どっちも女の子にしか見えん。
そこまでしなくても、きっと可愛いのにな。
もうちょっと雄っぽさが残っていて欲しかったです。