その世のどこか、蒼天のゆりかご【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
」のレビュー

その世のどこか、蒼天のゆりかご【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】

鯛野ニッケ

シンさまぁぁぁっ!!!と叫びたくなる。

ネタバレ
2025年3月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「その世のどこか」三部作の最終巻。前作2巻も読み応えがあったけど、これが一番刺さりました。前2作で狂言回し的な役割だった、軽やかだけど掴みどころのないシン様のターン。忠実な従者だったリアンドロスが、突然姿を消すところから物語は始まる。なぜ、リアンドロスはシンから離れたのか、抱えていた苦しみの元凶は何なのか。シンとともに謎を追ううちに見えてくるリアの苦悩の正体とは…。と、いった具合にどんどん物語の中に引き込まれていきます。鯛野ニッケ先生の作品の登場人物は、本人がいかんともしがたい欠点を持っていて、それを容赦なく突きつけられる展開が多いのだけど、だからこそ人間味が出て、憎めなくなるんですよね。自分のどうしようもなさや、リアの弱さを受け止め、乗り越えて成長したシンの姿が眩しく、思わず「シン様あぁぁぁ!!!」と叫びたくなりました。あと、巻末のおまけページが個人的にはどちらもツボでした。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!