エリスの聖杯
」のレビュー

エリスの聖杯

常磐くじら/夕薙

3巻までの内容で

ネタバレ
2025年3月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミックス最新刊の先が気になって、3巻だけ買いました。ぎっちり書き込まれてはいない(どちらかといえば淡々としてる)のに、薄っぺらさはなくてしっかりボリュームを感じるのは凄いなと思いました。
サンの正体には早くも気づいてしまったけれど(だってルビで王族呼び捨てしてるし)、第4王子が意外と良い人だったのはびっくりでしたね。でも何だかんだでアレクサンドラやユリシーズとも仲良くやっていくんじゃなかろうかと微笑ましくもあり。

時間逆行物みたいに、処刑間際のスカーレットが未来を見てきたみたいな幕間には、スカーレットが消えてしまわないかハラハラしたけど(それじゃシリーズも終わってしまうから無いとは思ったけど)、無事復活してくれて良かったです。

けど、アデルバイトの次期国王に第2王子のジョアンが就くのはどうかなぁと思う。エルンスト陛下とカスティエル公爵のアドルファスは侵略戦争を回避するにはもうそれしか無くて苦渋の決断でスカーレットの処刑を決めたわけだけど、ジョアンは娘を人質にされただけで(というと言い方は悪いけれど)冤罪とわかってるはずのコンスタンスの処刑を許可したってのは、王族として、国を担う立場の人間としてどうなのよ。家族の命を盾にされたからと要求を呑んでるようでは、国王は務まらんし相応しくないよ。まだうっかりさんで泣き虫だった第一王子のエンリケの方が王族としての覚悟決まってると思う。

あと、コンスタンスの元婚約者のニール、コミックスでも小説でもとんでもないゲス野郎みたいに紹介されてるけど、全然そうは思わないな。胸糞極まりないゲス野郎共を断罪物の作品で山程見た私からすれば、彼はちょっと女を見る目がなかっただけの好青年の部類と言ってもいいくらいですよ。
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