スリーピングデッド
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スリーピングデッド

朝田ねむい

やるせなくて切なくて心に残る。

ネタバレ
2025年3月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ またまた、この作家さんの天才的な作家性に心が持っていかれました。
始まりはグロい話かなと思いきや、淡々と紡がれるストーリーと独特の絵柄で引き込まれ、最後は胸が苦しくなり、苦しいのに何度も、読み返してしまいます。
マッドサイエンティストである間宮は、偶然とはいえ、殺されてしまった佐田の死体を手に入れ生き返らせた事により、愛を知ってしまっ故に果たして幸せだったのか。
愛を知る前は、今までの辛く孤独な人生に、痛みさえ感じないように自分の感情と感覚に蓋をして、だからか表情も無表情か無愛想。
その分、ラスト直前の佐田を失ってからの動揺と取り乱し方に胸が痛みました。
最後の「はあ」は、今まで息を止めて生きてきた彼が、初めて息をついたかのようで、辛すぎるのに、このラストに心が持っていかれました。
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