悪役令嬢のおかあさま
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悪役令嬢のおかあさま

狩野アユミ/ミズメ

ゲーム本編以前の物語

ネタバレ
2025年3月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 将来ゲーム本編の悪役令嬢を産む事になる、悪役母であるヴァイオレットの奮闘記。とにかく不憫な人生を辿る我が娘がこの世に存在しない人生を送ろうと、頑張っている。本編でとんだ不倫野郎になるであろう公爵家令息テオに近付かない様にしたり。テオが心惹かれるであろうヒロイン母を探してみたり。まだ子供から娘時代なのに、必死過ぎて少々カラ回ってるヴァイオレットは知らずに王太子や当のテオに愛されて、無自覚ハーレムエンドを突き進む。かと思えば。ゲームとは違うキャラや想定外の事が起こりまくり。この世界はゲームでは無くて「現実」なのだと次第にヴァイオレットも気付いて行く。誰かの描いたストーリーでは無く、自分の人生を生きる、という当たり前の事実に気付く、というのは定石だけど良いんだよなぁ。3巻で完結なので、ヴァイオレットの結婚後、次世代の話は後半にダダダッと後日談として。ゲーム本編とは違うそれぞれの人生が紡がれて行くのだが、端折られてるなりにキチッと描いてくれているのも好感が持てる。とりあえず不倫野郎にならないテオと幸せになれて良かったね!だし、ヒロイン母になる筈の少女もヴァイオレットと嫉妬などで争う事なく幸せになる。ヴァイオレットがすみれ、その娘がバーベナ、他にリコリスやリリーなど。とにかく女性達の名前が花や植物の名前だったり。テオがこよなく植物を愛していたり。花々がそこかしこに見られたり、爽やかな香りが漂うな気もして、ほっこりしました。
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