黒猫の黄金、狐の夜
」のレビュー

黒猫の黄金、狐の夜

伊達きよ/yoco

幸せになる意味

ネタバレ
2025年3月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 涙なしには読めないと思います。命と引き換えに助けた子。その子を愛せなくなった父親が村人からお金を集めて姿を消した。残されたコガネは心を押し固めて生きるしか無かった。毎日毎日が苦行のようだったに違いない。そんな毎日に現れた小さな子猫。弱弱しく、目が見えない。コガネが世話をしなくては容易く失われてしまう命。その命があることで、コガネは生きる意味を見つけるし、誰と居る幸せも知る。記憶も無くしてしまっていた子猫にクロと名付けます。クロの為に何かしてあげたい。そう思う気持ちがとても強くなるコガネは、差し出させるものがない、。身を削ることしか。その献身がクロを苦しめる事にもなってしまうのです。コガネにはそこまで考える事が出来なかったのでした。クロの目の手術をして。学校へいれて。相手を深く想うから。この身を捧げる。でもそれだけでは。互いに幸せを求めていく。そんな2人になれる。段々と。コガネとクロの2人だけ。手を取り合う。そんなこれからまで。傷ついた心は、元には戻らない。けれども。読了後、なんとも言えない穏やかな気持ちが湧きます。yoco先生のイラストもムードあって良きです。タイトルの意味!
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