ニッターズハイ!
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ニッターズハイ!

猫田ゆかり

編み物愛と人間愛があふれた作品

ネタバレ
2025年3月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 中学時代は全国的な陸上選手だったのに、怪我で走れなくなり陸上と距離を置いている健斗。高校に入り手芸部に誘われるが、男が手芸と口にしてしまったことから、放課後は中庭で編み物をしている「編み物王子」の類と知り合うことになる。類が編み物には触ってこともない健斗に「作り目」を教えるくだりや、健斗がなかなか上達せずにじれるところは、まさに「初心者あるある」だなあと、自分の子どものころを思い出し懐かしくなりました。類と内藤先生のくだりは、読んでいてい涙がとまりませんでした。「編み物は自由だから、うまくなるコツは努力せずに楽しむこと」という内藤先生のことばにはグッときました。小学校のころからの友人で、なにかと健斗を気遣う順夜と篤もいいですね。作者の編み物への愛情と、人間への愛情があふれた素敵な作品でした。
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