このレビューはネタバレを含みます▼
面白かったです!αのイヴァンは、リーダーの兄と村を二分しないために番も作らず村を離れて生活し、Ωのテオは、性欲の捌け口としてしか必要とされない故郷を出て、愛に飢えて家族(子供)を欲しがっていた。そんな二人が出会い、イヴァンはテオを放っておけず、テオは子種のためにイヴァンを求め、体から始まり、いつしか愛に変わった気持ちも互いの境遇の違いにより通じ合えず、すれ違いを繰り返す中で、与えられる温もりに幸福を感じながらも苦しむ姿が切なくて、特にイヴァンの優しさと愛情が空に彷徨うのが切なかったです。そのため、二人の遠吠えのシーンは、グッときました。二人とも根の性格が真っ直ぐで、Ωのテオも境遇故にαを信用出来ないだけで、悲しんだり与えられる愛に応える心は持っていて、ストーリー展開も優しいαとそんなテオによって真っ直ぐで読後も清々しく、最後はハピエンの幸福感があって良かったです。優しさと温かさを感じるお話。