色悪作家と校正者の純潔
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色悪作家と校正者の純潔

菅野彰/麻々原絵里依

初々しい想いを話す

ネタバレ
2025年3月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ さて。正祐が人らしく、恋心を持って生きるようになり。今まで知らなかった事を知り、人の心とはこのように動くものなのかと体験していく。そう、まるで自分で育てているような気持ちにもなります。大吾が気を揉むのもよくわかります。正祐は書物の世界で生きていた期間が長過ぎた為に、きっと、世間の人々ならばわかることも知らない。そこまでに拙いのです。大吾が正祐に対する執着をみせるシーンでは、2人の関係の深度がわかるようで嬉しいと思ってしまいます。鳥八の大将だったらそれこそ、息子と孫を見るような気持ちにもなりそうですね。篠田も含めた文学談義も面白いです。本作を読むと、近代文学作品読み返したくなってしまう…。白洲さんはお気の毒ですね。麻々原絵里依先生のイラストがまた良きです!
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