悪魔×花嫁~選ばれた娘はどっち?~合冊版
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悪魔×花嫁~選ばれた娘はどっち?~合冊版

碧ゆかこ/花李くる実/村岡みのり

後味スッキリ

ネタバレ
2025年3月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 契約者悪魔とヒロインのルジーは「自分達が無事に結婚できること」しか考えてないので、ルジーを虐めまくった家族や使用人や友人達に何一つ復讐することなく、魔女の妨害を潜り抜け、マジで家族たちなど目もくれず幸せそうに去ってゆきます。盛大な「ざまぁ」がヒロインと悪魔によってもたらされると思って読むと肩透かしくらうかも。でも私には最高の復讐であり終わり方だと思えました。4巻までの長すぎる上にしつこすぎる「だらだらヒロイン虐め」にうんざりして読むのやめようかなと思った方はちょっと待って!5巻からは俄然話が動き出して面白くなります。クランはルジーに結婚を申し込み、魔女も活動的になり、リューナの闇落ちは加速して、6巻で一気に話が展開し、7巻では魔女の過去が明かされ倒されます。邪魔者が消えた8巻はカタルシスタイム。ここまで丁寧にルジーの願いの成就、残された者たちの破滅を描いてくれるなら4巻までの鬱展開も納得できるというもの。ルジーを邪険に扱ってきた罪の意識で家族は全てを手放し、使用人たちもリューナに冷たくなり、クランは永遠にルジーを想い、マリーまでもが身の破滅。誰にも見向きされなくなったリューナの慟哭は自業自得とはいえちょっと気の毒ですが…。でももしも最後の最後に改心して、心からルジーに償いたいと願えていれば、少なくともクランと共に旅立つことくらいは叶ったかもしれないのにな…と思ってしまいました。
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