望まれぬ花嫁は一途に皇太子を愛す《フルカラー》(分冊版)
紡木すあ/古池マヤ
全ての人物が愚かしい。絵で綺麗に昇華感。
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼
初期のころから高評価レビューがたくさんあったのを見て読んでたのだけど、ティナばかりが辛く酷い目にあって報われなさが凄くて。そこからの逆転で盛り上がるタイプの話なんだろうけど、内容がエグすぎて重い。これがハッピーエンドになるんかい、と危ぶむほど。ティナの献身というより異常なほどの自己犠牲と、全く受け入れられていないのにキースや国を思い続ける気持ちは狂気の域では…?ティナにもキースにも側近やら、でてくる人々に対してイラーッというかはぁ?というか何やってんの、って気持ちばかりが湧いててきてしまって。結局ティナは自分からは伝えないし、侍女がキースに全てを言っただけ。将軍の裏切りも戦争狂だったからとか、敵国を退けた代償は少女漫画でそこまではしないだろうと思っていた内容だった。キースは眠っている間に全て終わってるとかポンコツにもほどがあるし、虐げてきた側のティナに対する手の平返しが安っぽく、全然納得できない。執着めいた思いをもつヒロイン、周囲に騙されヒロインを正しく見ることをしない愚かで無能なヒーロー、その他は下衆な者たちばかり。オドロオドロしいエグく暗い話を、フルカラーの絵でメロドラマ的にキレイに、一途なヒロインがすれ違っていたヒーローと波乱万丈の末結ばれるいい話にした感じ…。フルカラーだけど全体的に色も厚みも薄い印象。カラーは表紙と数ページで充分で、もっとメイン以外を描き込んだり躍動感を持たせたりする事に力をいれてもよかったのではとおもう。
…再度ざっと読み返したけれど、うん、このような真実を見極められない愚かな皇太子と物言わず全ての理不尽を受け入れる皇太子妃と利己的な貴族が治め風評を鵜呑みにする民衆の国は他国の餌食にされるわな。絶対に言ってはいけないけど強国の支配下に置かれる方がむしろ無難かもよ…。
いいね