わたすもんか微熱【コミックス版/シーモア限定おまけ付き】
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わたすもんか微熱【コミックス版/シーモア限定おまけ付き】

きみあたる

「わたすもんか」に込められた想い

ネタバレ
2025年3月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ まさか、読み始めは受けが行為中に言った「マナって呼んで」の言葉が、ここまで悲しくて切ない響きになるとは思いませんでした……

【Hをしてみたい童貞タチ×好きな人の代わりに「練習」してみたい処女ネコ♂】の練習から始まる恋のお話。
割り切った身体の関係から徐々に惹かれあっていく…と流れだけ見れば王道なんですが、
身体だけの関係の相手に惹かれてしまう辛さや、そんな相手が自分にだけ見せる表情・仕草その全てが愛おしくて恋しい気持ちが丁寧に描かれていて、攻めが受けに惹かれていく度に胸がギュッと締め付けられました。

童貞×処女(♂)の期待と緊張に満ちた初エッチは、照れながらワチャワチャ賑やかな雰囲気で可愛いモノだったのに、身体を重ねる毎に苦しくて切ないモノへと変化していく……

この身体を、この心を、この熱を「わたすもんか」と受けへの想いを募らせていく攻めの気持ちが痛いほどに伝わってきて、攻めが愛おしそうに「広夢」と受けの名前を呼ぶ度に目頭が熱くなりました…
それなのに未だ「練習」と言い張る受けは「ちがう、マナ(憧れの相手が呼んでくれる愛称)って呼んで」と、戸惑いながらも無自覚に攻めを傷つける
このすれ違いに胸が…うぅ、もう、胸が痛い……

そんな攻めの想いをやっと理解できて、受けも恋心を自覚して「両想い」になった筈なのに…なのに、すれ違っていく彼らに「何で???」と号泣しながら問いかけていました……;;
特に6話の「最後の練習」
両想いで同じ気持ちの筈なのに、身体は繋がっていても心はバラバラで、苦しくて辛くて、でもお互いに「好き」って気持ちが溢れるHに涙が止まらない……

そんな壁を乗り超え、絶対にこの熱を「わたすもんか」とギュウギュウ抱きしめて愛情と独占欲丸出しな(初めはクールだった)攻めの姿に「良かった…良かった…!」と再び咽び泣き
〝紆余曲折を経て溺愛〟が大好きな人間の心に響く良作です!未読の方は是非、是非!!!(布教)
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