死にたがりの王女
」のレビュー

死にたがりの王女

有沢ゆう/RAHWIA

記憶に残る作品

ネタバレ
2025年3月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何気なく手に取ったこの作品、あまりに面白くて購入した自分にガッツポーズしてしまった…。

暗鬱とした復讐ものかと思いきや、すっとぼけを演じるヒロインと、祖国とは違い真っ当な扱いをするオリーブやシリルはじめアウリラの人物達に雰囲気がやわらぎます。かといって明るいお話ではなく、ヒロインのネグレクトどころではない境遇と元の「ウエンディ」の無念と共に知らない世界で独り立ち向かう弔い合戦は、見届けたくなるれっきとした復讐ものでした。

「呪われた子」のワードの扱いも逸脱です。最初はファンタジー的な意味合いかと思いましたが、リアルでも負の意味を含むレッテルと同じではありませんか?そしてその呪いを解いたのが王子様だった、というのも何とも乙女心をくすぐります。最高かよ。

ただの復讐には終わらず、ヒロインがこの世界で生きる意味を得ていく可能性がある事にとてつもなく「読んで良かった」と思うことができました。
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