センチネルバース 水底の虹【イラストあり】
」のレビュー

センチネルバース 水底の虹【イラストあり】

安西リカ/松基羊

感動!

ネタバレ
2025年3月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ センチネルバース
マンガでは読んだことはありましたが、この作品でセンチネルバースへの理解が深まりました。
聴覚や視覚などの極度の過敏症で生まれつき、成人するまで壮絶な自身の障害との戦いを乗り越えて特殊能力を得て社会に奉仕する人たちがセンチネル。
ただ、生きる意味を社会への奉仕としてしまう彼らは、脳死へと繋がるゾーンアウトという状態も恐れない自己犠牲の塊のような精神状態を身につけてしまう。
その事態をさけるためにガイドという存在が必要で、ガイドはセンチネルの精神をゾーンアウトへ沈ませないようにホールドするのだけれど、相性や能力バランスなどでベストの相手を探すのが難しい。
このお話はそのセンチネルの中条とガイドの吉積の運命ともいえる絆が結ばれ、二人が人生をともに歩んでいく過程を描いています。
センチネルという存在の痛々しさ、終盤に起こる最悪の事態。
先生の作品の中では過去一過酷で胸が痛かったです。
それでも吉積の揺るぎない愛情と献身できっと!と思いながら読んでいました。
だから最後は本当に嬉しかったですし、感動も大きかったです。
センチネルバースというかなり特殊な設定の物語をここまで描ききられた安西先生の力量が本当に凄いです。
また次の作品もお待ちしておりますのでよろしくお願いします。
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