うるわしの宵の月
」のレビュー

うるわしの宵の月

やまもり三香

溜息と感嘆がとまらない

2025年3月30日
完結してからレビューを書くつもりのお気に入りの作品でしたが再読し、たまらずレビュー書いてます。青春恋愛漫画の王道物という認識だったはずが読者の年代をこえて引き込まれる求心力を感じます。
絵がきれいでさまざまな表情や仕草に至るまで細やかに描かれてます。間と間の取り方でみせる心理描写が伝わるし、コマ運びや構図も流れるように場面が活かされ美しい。センスを堪能できます。
主人公の宵ちゃんが恋をしてコントロールできなかったり貪欲になる様子が初々しく純粋で可愛らしい。恋の葛藤から愛することへ琥珀の中に踏み込んでいく姿が見えてきて応援したい。
そして琥珀がなんてかっこいいのだろう。美しい顔だけど各パーツ(目、口、手、首筋、後ろ姿)の描写から男らしさと色気が溢れて見惚れてしまう。青春ラブストーリーのヒーローにしては、とんでもなくフェロモンがありすぎるし余裕と行動力とで規格外。そんな絶対的完璧王子の真っ直ぐで熱い思いから初々しい取り繕わない言動をみて彼自身の変化にも本気さが伝わってきます。
何度も読み返してストーリー性も高く台詞だけに頼らない画力を楽しめる漫画で、溜息と感嘆を繰り返してしまいます。まだまだ続きが読めると思うと嬉しくなる素敵な作品。出会えたことに感謝します。
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