目眩はまどいのつがい
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目眩はまどいのつがい

早寝電灯

心を通わせた運命同士の優しいオメガバース

ネタバレ
2025年4月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。過去あり独占欲強めのスパダリ年上アルファ×純粋培養で鈍感だけれど思いやりが強い年下普通オメガ
第二次性に対して「こうありたい」が強過ぎて生きづらかった者同士が運命をきっかけに惹かれ合う話です。攻めはオメガに対するトラウマ持ちで、受けは第二次性に振り回されたくない意志が強い子。運命をきっかけに惹かれ合う2人ですが、最後はお互いに自らの意思で相手を選び取ります。オメガバは運命の番を美化する傾向にありますが、こちらは敢えてネガティブな側面をきちんと描いているなと感じました。その上で悲壮感もなく、お互いの歩み寄りから「普通のお付き合い」を始めて番になる。関係が深まっていく過程が2人の四苦八苦する姿含めて、とても美しいです。攻めがトラウマになったきっかけの少女(オメガ)もきちんと幸せになっている描写がありますし、本当に誰も傷つかない。すごくほっこりするオメガバースです。
番う際にオメガがアルファの項を先に噛んであげるシーンはこの物語の伝えたかった全てが詰まったシーンだと思います。
物語の中でオメガ(受)が何度も「アルファ(攻)側の傷つける怖さを知らなかった。わかっていなかった。」と思い遣る布石があり、その究極の形がここに辿り着いたのかなと。すごく引き込まれる描写なので是非ご覧になっていただきたい作品です。
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