このレビューはネタバレを含みます▼
作家追いしてる先生です。
ルームメイトは腕に痣のある青凪とゲイの宇佐美。2人とも他人に気遣いながら生きてきて、お互いの隣が息がしやすい事に気づく。青凪は宇佐美がゲイである事をそのまま受け入れ、宇佐美は青凪の腕を全く気にせず触れてくる。恋に発展する前にお互いの本質的なところに惹かれ合うのがとてもとても良い。
顔に見惚れるとか、キスしたいとか、それよりも前に「好きだなぁ」があります。
モブ以外のキャラに悪い子がいないのも良い。
当て馬的存在の青凪の彼女も、自分の行いが独善的だと気がついた時に後悔と羞恥で一緒にいられなくなってしまう…誠実だった彼女にも幸多かれと願ってしまう。
仁嶋先生のマンガは最初に話の幹があって、そこから枝葉をつけて大きなうねりを作っていくような印象です。途中で話があちこち飛ばずに、最後はきっちり収束していくような。そのストーリーテラーぶりが好きで単話でも追ってしまいます。
今回は高校生ということもあり、未熟だったり無駄に勢いがあったり、思いを秘めることが下手だったり、大人になりきる前の瑞々しい感性も味わえます。
この話が読めて良かった。
あと犬。犬は良い…