子供に懐かれたら家政婦になりました。あれ?騎士様にも溺愛されてるようです!?
桂実/三園七詩
このレビューはネタバレを含みます▼
話の展開としては、正直言ってありきたりと言いますか、もはや慣れすぎていて既視感しかないです。ヒロインは、よくある守られヒロイン。何をしなくてもヒーロー含む周りが助けてくれます。悪役は、これまた分かりやすいくらいの吹っ切れようで、とんとん拍子に話が進んでいき制裁されていきますので、読み手によっては飽きてしまう作りです。
ただ、この展開の早さの中には、ひと昔前の少女漫画における王道が結構つまっていて、意外にも丁寧に描かれています。
主人公は、愛され守られヒロインではありますが、ここに嫌味さがないので『守られてばっかのイライラ』感は、ありません。
ヒーローは題名に違わず、わりとすぐ惚れて溺愛し始めますが、騎士団として色々と活動はしているようで、騎士らしい実直な設定にはなっています。
子どもは子どもで愛らしいキャラですが、複雑な背景を感じさせながら、存在感を発揮しています。
悪役はきちんと悪役で、ことの発端から制裁までしっかりされます。
こんな感じで、キャラ立ちはそれぞれ光るものがありますから、展開の早さのわりに、世界観は練られている印象がありました。そのため、私は疲れることなく3巻まで読み終えました。
王道好きで少女漫画を読み続けてきた方なら、買って損なしです。逆に、少女漫画はそんなに読まない方、子どもが出てくる話が苦手な方、漫画における月並みな展開や無難なキャラ設定に飽きがきている方は、回れ右が無難です。
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