もうすぐ死ぬ悪女に転生してしまった 生き残るために清楚系美女を演じていたら聖女に選ばれました
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もうすぐ死ぬ悪女に転生してしまった 生き残るために清楚系美女を演じていたら聖女に選ばれました

来須みかん/祀花よう子

恋愛感情に依存しないヒロインが好きな人に

ネタバレ
2025年4月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 完全に結末ネタバレです。ご注意ください。

この手のジャンルだと主人公の恋愛ハッピーエンドを想定して読む方が多いのかと思いますが、この書籍でヒロインは誰とも結ばれません。
むしろ、攻略対象ほぼ全員と好感度MAXの逆ハー状態でありながら、その誰に対しても、主人公側からは自分の好意を向けない人生を選びます。
相手の好意は利用して支援や協力を引き出し、より良い環境を作っていくことに喜びを見出す。
清濁あわせのみつつ根は善良なので、やり方としては悪女の面もあれど、民からしたら最高の聖女になったのではないかと。

恋愛は良かれ悪しかれ依存心を伴うので、主人公が精神的に他者に依存することのない方法で、自分の幸福を見つけるエンドなのが個人的にすごく良かったです。
主人公に自分を投影して恋愛を楽しみたい方にはあまり向かない展開かと思いますが、他人の恋バナを聞いてニヨニヨするのが楽しい方には共感できるのではないかと思います。
あと、「周りの男はみんなあたしに惚れてるけど、あたしは誰も選ばないわ」という趣味の方にも向いてるかも(?)

奥付にあるアルファポリスさんのサイトから書籍タイトルを検索すると、恋愛分岐のルート(推敲入ってなさそうな商業未満の状態ですが)も読めます。
読みに行ってみて、個人的には恋愛ルートに分岐しないでくれて本当によかったな…と思いました。私は本編の終わり方がベターでした。
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