このレビューはネタバレを含みます▼
Ωの波止くんもαの和巳さんも、いつの日か被害者or加害者になるかもしれない不安を抱えながら、何とか自分を保って日々を過ごしている。
そんな2人が身体の衝動(それを「運命」と言ってしまえたら簡単だけど…)に寄りかからずに、出来る限り普通に距離を縮めていこうとする姿が尊すぎます。
Ωとαでは性別も社会的な立ち位置も違うから、相手が抱える苦しみに最初は気付けないし、簡単に寄り添える訳でもない。
でも、お互いのことを考え考えしながら歩み寄ったり踏み止まったり…
誰かを思いやるって、こういうことを言うんだなぁ…
心に沁みる台詞も目白押しで、特に「あなたを好きだと気づく時間を あなたがちゃんと与えてくれた」(p156)というモノローグがたまらなく好きです。