やたらやらしい深見くん
」のレビュー

やたらやらしい深見くん

松本あやか

いつの間にか攻めを応援しちゃってる

ネタバレ
2025年4月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ お話のテンポが非常に軽快で、胸がギュッとなるところと笑ってしまうバランスが良くて、重すぎず軽すぎず、とても楽しく読める作品です。すれ違ってもいつの間にか元通りのペースというのが、モタモタしすぎずさっぱりとしていて良い。
上手く言えないのですが、「お友達から始めましょう」的な関係性が、最初は「友達(セ●レ)」で、その後「恋人として付き合えなくても友達でいたい」という形に変化していくのが、思わずジタバタしてしまうくらい好きでした。

ナルシスト外面良しカンペキ男の攻めと、モサモサオタクだけどメガネ外したら美形でエロい受けという、よく見る設定ではあるけど一周回って最近見ないな?と思っていた組み合わせの二人(最近見ないなーというのは個人の感想ですが)。体から始まってだんだん二人の距離が近づいて…というある意味お約束展開ですが、気持ちの移り変わりなどがしっかり描かれていて本当に面白い作品です。

私は高慢でナルシストかつスマートに人生を歩もうとしてる男が、自分の思い通りにいかない相手に沼らされて人生まるごと振り回されるのが三度の飯より大好物です。そして、軽薄で嘘を吐くことさえ武器にしてのらりくらりと生きているくせに、実は過去に何かしらのトラウマがあり…という男も三度の飯より大好物です。つまり、梶がドストライクでした。
母に捨てられた過去を持ち、いざ大切な相手を目の前にして想いを伝えようとした時に「親にも愛されなかった人間」だと自分を称してしまう、完璧に塗り固めたメッキの下に傷ついた心を隠して膝を抱えてしまっている梶が、どうしようもなく愛しい。深見によしよし抱きしめえっちしてもらってください。最初はただの嫌なやつだけど、読み進めていくと「コイツ結構良いやつなのでは…」と深見と同じ気持ちになります(笑)
今後、彼が自分の過去を深見に話す時は来るのでしょうか。梶の記憶の中の母親が、愛情はあったんだろうけど真っ当な親には見えなくて、梶の生き方とか価値観には母親の影響が大きそう。攻めのトラウマを受けがよしよしして一緒に幸せになるという展開が大好きなので、そういうお話もどこかであればいいなと思ったりしてます。
最新話でヤバそうな人出てきてましたけど、梶の腕の見せ所ですね!頑張れ梶!

まさにコレコレ!商業BLではこういうのが読みたいんだよ!と拍手したくなる作品でした
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