愛が重い騎士公爵は、追放令嬢のすべてを奪い尽くしたい。【コミックス版/電子限定描き下ろし漫画付き】
海原ゆた
このレビューはネタバレを含みます▼
「愛が重い」というタイトル通り、主人公のお相手・ミハエルは一途な愛を貫くスパダリ。
愛が重い、というけれどストーカーのような一方的な愛ではなく「彼女には笑顔でいてほしい」という、まさに「愛情」が深い男で、しかもとんでもなく強くて頭も切れる公爵で、なんて…うーん、スパダリすぎる!(笑)こんな男に愛されるリシーはとても幸せだなー、と見ていて嬉しくなります。
主人公のリュシエンヌは、幼い頃から能力を搾取されているにも関わらず、聡明で責任感があり、とても心優しい魅力的な女性です。少し天然?なところもかわいい。そりゃミハエル様ベタ惚れですわ(笑)。
ミハエルとリシーがお互いしか見えておらず、侍女や側近も二人を応援してくれて、横恋慕しようとするアホもいないのでストレスなく読めます。幸せそうで何より。いつまでもラブラブでいてほしいです。
この2人は子だくさんになりそうだな…(笑)
そして何より、えっちぃシーンがとても良い!私はエロシーンにも心情やお互いに対する想いなどが垣間見える方が好きなのですが、今作は狙いすぎた汁だくな描写や効果音などがなく、上品さとキャラ同士の愛情の深まりも感じられるのにエロい。このバランスは素晴らしいと思います。リシーめっちゃエロい体してるし、好きな人との情事を嬉しく思っている積極的な面もあってすごく好きです。ミハエルの想いが決して一方通行ではないことが、情事シーンでも分かるのがいいですね。
そして聖女や異世界召喚など、最近の流行りも入れつつそこにストーリーの重きを置いていないのがいいですね。流行りに乗っかるだけで同じような話が多い(正直似たりよったりで面白くないことも多々…)中、要素は入れてストーリーのキーポイントにはなりつつも…というバランスが良いです。
頭が悪くてわがままなだけに見えていた聖女ヒバナも、実は異世界召喚によって呼び出され孤独になり、頼れる相手が第一王子だけだったという、可哀想な立場だということが判明。確かに、召喚された側からしたら知らない世界にたった独りぼっちですもんね…。
三下の第二王子は論外ですが、昨今の流行りで悪者扱いされがちな聖女や元婚約者の心情や立場も丁寧に描かれているところに、作家さんの想いを感じました。
そしてサイドカップル好きな私としては、サラサとノヴァの出番も楽しみです!
新刊が待ち遠しいなあ〜♪
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