君の夜に触れる【単行本版】
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君の夜に触れる【単行本版】

もりもより

父の謎

ネタバレ
2025年4月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ この圧倒的画力と、2人の恋があまりに尊く美しく大感動したので星5なのは確かなのだけど、最後まで父親が謎でした。
番外編で分かるのかなと思ったけどやはり謎のままだった。
生まれたての千夏を見つめる目も、4人で写る家族写真も、絶対に嘘とは思えない優しさに満ち溢れているのに、なぜこんな人が殺し屋稼業などしているのか。
千夏が佳澄のおかげでこの稼業から抜け出す勇気が持てたように、父にとって妻と子ども達はそういう存在になれなかったのか。

「盲目」という設定はインパクトが強い。
それに「殺し屋稼業の元に生まれてしまったけど心優しくとてもそれを全うできない」青年を組み合わせ、その恋に重点を置いたのは分かるし実際とても感動した。
敢えて曖昧にしたのだろうなと自分を納得させたけど、これ父親目線で漫画一冊描けそうですね。読んでみたい気がします。
本編でも番外編でも苦悩している様子が見て取れ、どうしても悪人には思えなかった。結局は千夏と同じで殺し屋なんて向いてないんだよ。どうかこの父親も救われて欲しい。

ふんわり笑う佳澄さんはいつも後光がさしているように感じる。まるで菩薩のよう。その隣で千夏の顔色がどんどんよくなって(最初は死相が出てた💦)癒されているのが分かる。
2人が寄り添う姿は神々しいまでの美しさです。
この光が父親にも届かないものか…
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