無恋愛紳士
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無恋愛紳士

ARUKU

愛の切なさと幸福感

ネタバレ
2025年4月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本作は罪と罰のような重いテーマでなく、一人の人間の与え続ける愛が、性別問わず何も恋愛を感じなかった人間の中に染み込み熟成し、いつの間にか不可分の要素となって心と体を組成していく過程を、じっくり味わえる作品。
彼は元々無性愛だったのか、幼少期の強烈な経験のせいなのかそこは不明ですが、これは難攻不落と思えたのに、違和感なく徐々に愛が染み込んでいく顛末を見られて、とても幸福感があり面白かったです。
日夏の愛し方が、ギューと心に響いてくる好きな作品。ARUKU先生の丁寧で何冊分も詰まったような描写によって、じっくり堪能できるのが嬉しい。
※作中の真壁さんは、「恋に落ちる花」の真壁さん??あの経験をした真壁さんと思うと、彼の言葉が沁みてきます。
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