神さまは陽だまりに眠る
」のレビュー

神さまは陽だまりに眠る

篠崎マイ

神に愛される切なさと幸せ

ネタバレ
2025年4月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さんの描写力が高くて、作品全体に温かさや切なさの情感溢れる作品。
祠の前に捨てられた赤子を保護して育ててくれた土地神様。テリトリー内の他の生物にも慈悲を与える優しい神様だけど、保護した人の子に向けた愛は、特別なものになる。。
3歳までと決めて手元で育てた陽向が健気で可愛くて、姿もですが、その心があまりにも純粋で真っ直ぐに神のナギに向かうので、可愛いくて切なくて、二人の関係に泣けてきます。作者さんの子供の描き方がすごく上手い!
土地神が信仰を失い消えつつある現実と、それを見守る他の神や陽向の想いと願い。皆んなの想い合い救い合う優しい心が溢れていて、やがてそれらが結びつき、春の陽光が包み込むような温かい幸せな状態を作り出していく。美しく神秘的でありながら、切なさや温もりをずっと感じるような、作品全体が情感に満ちたような作品(2回言う)。作者さんの描写力が素晴らしく、終始心に響いてくるものがあり、惹きつけられました。読後に余韻を感じるような、とても好きな作品です。
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