ずっと、君だけを 寡黙な黒騎士は生まれ変わりの元王女を今度こそ手放さない
」のレビュー

ずっと、君だけを 寡黙な黒騎士は生まれ変わりの元王女を今度こそ手放さない

蒼磨奏/天路ゆうつづ

もう一度ヒロインに会うために

ネタバレ
2025年4月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヒーローの身を切られるような後悔と、もう一度どうしても会いたいという渇望に涙が出ました。走馬灯のように生きていた頃のヒロインを思い出し、あぁこんなにも愛していたと思い知る場面では、既視感はあるものの、切なくて胸が締め付けられました。全身の傷跡と焼け爛れた両手、そしてその傷を負った経緯から、ヒーローの強い切望と執愛が伝わってきました。ヒロインのためなら何を犠牲しても良いと、努力の末に身につけた剣技でさえ失って、人生捧げ尽くすヒーローがすごい。転生もの、死に戻りもので、ここまで命懸けだった物語は珍しい気がします。でも、そうだよね、命って重いよね、そんな簡単な話じゃないよね、と深く頷いてしまいました。ヒロインも、元の身体の持ち主であるフェリシアの分まで生きるためにもと奮闘し、彼女の命の上に今の幸せが成り立っていると、ちゃんと理解しているところが物語を奥深くさせているなと思いました。購入前から元の身体の持ち主のことが懸念点でしたが、ままならない体で死を待つだけという恐怖と絶望は計り知れないと思うので、自由な鳥になりたいと思う気持ちはわかる気がするし、苦痛から解放されて、安らぎを得ている様子に安心しました。孤独だった魔術師にとっても、フェリシアの存在が癒しになっているようで、何だかこの2人の組み合わせが好きでした。個人的に悲しい出来事があり、シリアスな部分が心に残りましたが、胸キュン要素も沢山ありました!まずフェリシアがヒロインだと気がついた後の、ヒーローの押しが強くて好きです。突然の強引なファーストキス(ディープキス)(めっちゃ長い)(これを待ってた)ご馳走様でした!寡黙なヒーローは口数が少ないのですが、他の人もレビューに書かれていた通り、それが甘えているみたいで萌えました。勝手に三つ編みにされたり、表情筋が硬い顔をむにむにされたり、パーティー会場で手を引かれてマカロン探しに付き合ったり笑、ヒロインにされるがままのヒーローが忠犬みたいで可愛い。フェリシアの体がもともと病弱なこともあって、Rシーンの描写は控えめに感じましたが、ヒーローも初めてで一途さに胸キュンしたし、終盤ヒロインに誘われて箍を外したヒーローが、より一層甘えん坊風になるのが良かったです。(そしてお約束の3回戦目に突入)最後の大円団的なハッピーエンドにも心が慰められる思いでした。素敵なお話でした〜!
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