このレビューはネタバレを含みます▼
虫シリーズ大好きですが、今作はこれまでの虫展開とはちょっと違う…というかむしろ虫じゃなくても良くない?という複雑な感想を持ちました。
弟テオのお話とあって期待値高めに読み始めましたが、そもそもテオは大公国の公子なのでロウクラスであってもロウクラス特有の悲惨な境遇に遭遇しない。あっても前作で履修済みなので、それ以上の悲劇に合わないよう周りがとても優しいのです。しかもテオが大変優秀なので周りが嫉妬するかと思えば割とおおらかで好かれてもいて。あまりにも穏やかな展開にあれ?虫のヒエラルキーは?状態で、普通に虫じゃなくても成立するお話のように感じました。
さらに、お相手のフリッツも気持ちダダ漏れなんだけどテオを拒否する真意が中盤で読めてしまって…。虫シリーズ特有のハラハラした先にある思いがけないカタルシス、これがなくて消化不良なのです有体に言えば。もっと言えば少し冗長というか単調というかじれったいというか…。
虫シリーズ大好きだったので星評価に悩みましたが正直な感想という事で。すみません。