爪先にあまく満ちている
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爪先にあまく満ちている

崎谷はるひ/志水ゆき

王子さまはまだ本当の愛を知らない

ネタバレ
2025年5月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 綾川寛二の息子、寛編です。あれから早15年。まだバブ感の強かった寛くんが、すっかり女も男も知ってる酸いも甘いもそこそこ経験して来た大人の男に…!と思ったら、結構性善説地で行くようなリスクヘッジガバ男だったり、女見る目なかったり、結構女遊び男遊びも普通にやってる若者に成長していて、ちょっとだけ夢壊されたかな…。前作で動物園連れて行ってもらって、ぞうさーん!きりんさーん!てはしゃいでるの読んだばかりの身としては、色々とついていけなかったよ……。特に相互理解済みで身体だけの人もまあ「「普通」」にいましたけど、お互い納得済みですから???みたいな感じが一番キツかったかな。開き直って俺モテるから、やりたいから!女寄ってくるしって感じでもなく、まあいっか、みたいな感じじゃないですか。誰彼構わずじゃないですよーとも言ってるけど、君は許容範囲が広いから普通の人に比べて大分誰彼構わず状態になっていやしないかい??と思い、個人的にはナシナシのナシなんだよな。。王子様タイプのやりチンとかだいぶキツいわ。君のお父さんはその点本当に純愛に生きた人だぞ。自分のお父さんとか白瀬さん見てて、自分もそういうふうになりたいとかは思わなかったんかい???お話は面白かったけど、寛くん、いえ寛サンの成長っぷりが残念でした。そして、攻め&受けの過去も残念というか、読んでてだいぶしんどい展開でした。まあ、一番はあの女が悪いんですけどね。なんか、やり切れない思いですホント。しかも、自由祭のあと結局付き合うことになるし、妊娠騒動も…この攻め、やることはちゃんとやってるんだよな…と思うと一気に気持ち冷めるんだよね。あんなに受けのこと邪険にされて、そういう態度見ててもあれと付き合ったんだ?一度は自由祭がおわったら受けに告白したいとすら思っていたのに、アッサリしてるよね。まあ、綾川父に言わせるとその当時はそれだけの繋がりでしかなかったんだらしいのですが…。綾川父の考え方は大人すぎて、あんなふうに言ってくれるお父さんって素敵だなあと思いました。頼りになる人です。攻めじゃなくてあのまま笹塚兄と結ばれてもよかったかなぁ。大人になった攻め、あまり好きになれませんでした。これから幸せにしてくれるんだとは思うけど、あまりにも色々な人と簡単に繋がって、簡単に終わって、友人に戻って…日頃の行いが悪い人ってやっぱり信用されないと思います。
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